都市の功罪

今日は両国の江戸東京ホワイトベース・・・じゃなくて、江戸東京博物館に『ザ・タワー~都市と塔のものがたり~』展を見に行ってきました。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/index.html
(特別展へのリンクだから、期間すぎるとリンク内容が違っちゃう。すみません。)

20120418_01.jpg今度5月22日にスカイツリーが開業するのに合わせて開催されていた特別展で、高いところが好きなお馬鹿な私は、別にこの展示で高いところに昇れるわけでもないけど、やっぱ、高いところへの知識をもっておかなくちゃ、って思って行ってみた。
ただ、ホームページとかで概要を特に読んで行ってなかったので、自分がイメージしていた内容とは全然違ったんだけど、なかなか興味深い、面白い内容だった。
主には、有史以前のバベルの塔について、国宝の薬師寺東塔、エッフェル塔、浅草の凌雲閣、大阪通天閣、そして東京タワーというそれぞれをフィーチャーした内容だったんだけど、バベルの塔については、有名なブリューゲルの絵と対比して、考古学的にバベルの塔の実在を信じて調べたキルヒャーの絵を並べていたり、薬師寺東塔は、1910年のパリ万博に出品された20分の1模型があって、その精巧さに、きっと万博で見た外国人も驚いただろうなあ、って思ったし、エッフェル塔はその成り立ちで、「エッフェル」の名前が付いているけど、実際はエッフェル社の人が考えたんじゃん、ってツッコミ入れたり、そのエッフェル塔の改築案がこれまたすっごく面白くて、建築勉強してる人は絶対見ておいた方がいいねって思えたし、そのエッフェル塔を捉えつつ、浮世絵を崇拝して富岳三十六景にちなんで「エッフェル塔三十六景」なんて描いてるリヴィエールの絵がこれまた情緒あっていい感じだったし、浅草凌雲閣の頃には、その前に浅草富士山とか、そういう面白い物が存在してたんだとわかったし、通天閣は、初代についての記述がほとんどだったけど、なぜ大阪のあの辺が"新世界"っていうのかわかったし、ホント、明治って絶対面白い時代だったんだろうなぁ、って思えたし、なぜかビリケンさんがいて、足の裏なでさせてもらったり、東京タワーは、東京タワーについて描いた山下清の絵と文章がこれまた味があるのが良かったりと、ホントに私としては久々にヒットした企画展でした。
スカイツリー開業に合わせての展示だった割には、スカイツリーについての内容がほとんどない・・・と思って展示を出ると、その先にある特別展用のショップがスカイツリーだらけ。そこが一つの展示場みたいで、「もしかして、展示内容が少ないのはこのため?」って思ってしまいました。それにしても、開業前からこんなにグッズがあるって恐るべしって感じでしたね。

20120418_02.jpg企画そのものは満足したのですが、この博物館、特別展と常設展は別料金。普通は企画展の料金払えば、常設展は見られるものなのに・・・(って思ったから常設展は見ませんでした)。また、展示も建物の仕切りの関係で、ちょっと回りづらい部分も。特別展の方にはそこそこ人は入ってて、まぁ平日ならあんなもんでいいのかもしれないけれど、巨大な奇抜な建物の割には、もっと集客した方がいいんじゃないかと思いました。
でも逆に、お客さん少ないおかげで、7階のレストランは眺めの良い場所を一人締めできましたけどね。


さて、本題。
両国に来るのは久しぶりで、いつもホントに博物館に来るくらいだったので、江戸東京博物館に向かう前に、そこから見えた三重の塔が気になったので、そこに行ってみました。
そこは、横網町公園内の"東京都慰霊堂"っていう、本来は関東大震災の時に亡くなった方を祀る慰霊堂として建てられて、その後、東京大空襲で亡くなられた方も合祀して祀ってあるものだとわかりました。
20120418_03.jpgホントに近くにあるのに、そんなものがあるなんて今まで気がつかなかったというのもなんとも。
慰霊堂の中を見させてもらって、震災の時の絵とか、空襲の時に写真とかもあって、おごそかな気持ちになりつつ、手を合わせてきたのですが、そう言いつつ、なかなか周りが雰囲気良いので写真も撮ってたんですけど、そこで気がついたのが、スカイツリーって、意外にどっからでも顔つっこんでくるのね、ってこと。
まぁスカイツリーだけじゃないんだけど、せっかく趣のある建物とかあって、それをきれいに写真撮りたい!って思っても、かなり位置や角度を気をつけないと、スカイツリーとか、高い建物、電線、電柱、etcクビをつっこんできて、まぁ現代と歴史の対比って意味では面白い写真も撮れたりするけど、その歴史の方だけ撮りたい時には、かなり難儀をしてしまう。

『ザ・タワー』展でも、エッフェル塔が建つときにかなりの反対運動もあったという記述があった。「歴史あるパリの都に無骨で醜悪な鉄の塔は似つかわしくない」・・・今でこそ、エッフェル塔もすでに100年以上を経過し、そのものが歴史になっているけれど、何度も改装計画が持ち上がったり、あの容姿を維持していくのに相当の苦労があったらしい。かなりの美観を誇るエッフェル塔でもそうなのだ。

私は高い所好きだし、近代的な建物も好きなので、「どんどん建てれば」って思う方ではあるのだけれど、それでも、高い建物って、時に街の景観そのものを殺してしまうと感じるから、それを建てる際にはある程度の気を遣わないといけないと思う。京都タワーが典型的な悪例だ(私はあの建物をあそこに建てることを許可した京都市が理解できない)。
街の進化に合わせて歴史も作られていくのかも知れなくて、近代的なフロンティアみたいなものはそれこそきらびやかなものを感じさせて、未来志向の人を奮い立たせる力を持っていると思う。でも、往々にしてそれまでの景観と相容れなかったり、やっぱり、それ相応の代償を払うことを考えると、単純に進化させればいいもんではないと思う。
建築やってく方には、その建物単体の様相だけじゃなくて、周りも含めて広い目で見て建物作れるようになるような教育がなされてほしいですね。

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コメント(1)

zyoyataku Author Profile Page:

書き忘れたけど、この『ザ・タワー』展で仕入れたネタとして、初代通天閣とスカイツリーって100歳違いで、同じ大林組が作ってるってのが、意外に良いなって思っちゃった。当時の新世界にタイムスリップしたくなった。そして、私と同じように思う人がいたりしたんだろうかと知りたくなった。

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このページは、zyoyatakuが2012年4月19日 20:19に書いたブログ記事です。

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