ピーターラビットとわたし

うさぎ好きなもんで、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「ピーターラビット展」が開催されると知った春。
前売り券の発売開始日を待ちわび、開始当日迷わずBunkamuraまで買いに行っていた。

しかしよくよく考えると、うさぎ界の2大キャラ、ミッフィーとピーターラビット。
このうち、ミッフィーの方は「うさこちゃん」の頃から絵本でもよく知った、そして色使いからも私の興味をそそるキャラなので、今までも展示会があれば足を運んだりなどしていたのだが、もう一方のピーターラビットの方は、実はそんなによく知らない。
ピーターラビットのお話の冒頭で、いきなりお父さんパイにされちゃってるし、ってところがシュールすぎて、お話を読むのも興味をそそられず、ウェッジウッドの皿の上に描かれる姿を見るくらいで、物語としてはまともに読んだことはなかった。
そして当然のことながら、その成り立ちや、作者についても何も知らなかった。
というところで、実は埼玉にピーターラビットの作者、「ビアトリクス・ポター資料館」なるものがあることを前からつかんでいて、いつ行こうかと思って機会をうか見計らっていたのだが、このピーターラビット展を見る前に行っておかねばなるまい、と思い立ち、先日、行ってきた。

ビアトリクス・ポター資料館は、その研究者が大東文化大学にいるらしく、大東文化大学の隣にある、さいたまこども動物自然公園の中にある。
当初は9月の初旬に行く計画だったのだが、運悪く資料整理のため閉館中の期間にあたってしまい、自分の都合と合わせ2週間ほど待たされた。
そして9月15日。平日の昼間、電車とバスに揺られること約2時間。小旅行の果てに着いたさいたまこども動物自然公園は鄙びていた。いや、失礼。都心ではない平日昼間の行楽施設なんてそんなものである。
こども動物自然公園入口
駐車場には何台か大型バスが停まっていたが、人の気配はあまりない(後で幼稚園児が遠足なのか集団で来ていたのを見た)。
いいおっさんが1人、平日昼間に"こども動物自然公園"に来る。チケット売場の人にはどう見えただろう。チケット買うのも恥ずかしかったが、しかし、私の脳内ではイメージ偽装として「これはロケハンなんだよ」と言い聞かせることにした。
そう、このこども動物自然公園、だだっ広い敷地に何やら撮影スポットに出来そうなところが満載である。きっと季節が良ければ秋には紅葉とか、春には花が咲き乱れ、さぞ良い景色に違いない。そんな景色を想像しつつの下見なんです、だからおっさん1人で来てても全然あやしくないですよ、と脳内で言い訳しつつ中を進む。
カップルやらファミリーやら、ほんのちょっとだけ人の気配を感じつつ、目的地に一目散に進む。

こども動物自然公園内オブジェ他
広い敷地といえど、目的地まではほぼ一直線なので方向音痴の私も迷わず辿り着く。資料館こっち、の看板を目にして見上げると、なんやら良い雰囲気の建物がある。
その建物こそ、ビアトリクス・ポター資料館であった。 ビアトリクス・ポター資料館 遠景
ということで、Facebookをご覧の方、クイズの正解は「ビアトリクス・ポター資料館」でした。

この資料館、なんとイギリスにあるポターの一時期住んでいた、そして後には書斎にしていたヒル・トップ農場の建物を模して作られたらしい。
重厚そうな扉が入りにくい雰囲気を醸し出しているので、建物の周りをちょっと見回す。
ピーターがマクレガーさんの畑で落としてさらされていた服と靴を吊したかかしとかあるのだが、見ようによってはちょっと怖い。
ピーターの忘れ物の服と靴 ビアトリクス・ポター資料館 近景
とりあえず中に入らねば始まるまい、と思って扉に手をかけるが、開かない。「開いてますよ」と扉の前には書いてあるので、今一度思い切りドアに付いているレバーを引くと開いた。レバーが固かっただけなんだが、何とも、これでは諦めて入らない人がいるんじゃないかと思った。
中に入ると受付があり、スタッフが3人もいた。こんな人が来そうもないところにコストかけてて大丈夫か?と要らぬ心配が浮かんだが、ひとまず入館料を払って案内しおりを受け取り、中を進む。
最初にポターの生涯を簡単に説明したパネルがあって、左に進むと第一展示室、右に第四展示室。
二階に上がって第二、第三展示室、研修室がある。
広くはないのだが、初めて見る物ばかりで興味深く見させてもらった。
ポターが幼少期に興味を持っていた虫のスケッチだとか、世界でも珍しいという私家版の初版ピーターラビットのお話を始め、ポターが出版したいくつかの作品のそれぞれの初版本や、各国で翻訳されたピーターラビットのお話の本、ラテン語や、中には誰が読むためのものなのか、象形文字で書かれたものもあった。また、各国で海賊版として出版されたものとか、そうしたものを取り上げる視点が面白くて見どころはいっぱいだった。
建物自体も実際のヒル・トップ農場を模しただけあって、中の絨毯とか階段とかも、それらをモチーフに作られたお話に出てくる様子がわかるようになってて、本当にそれっぽくて感心した。
第三展示室で映像も見おわると、中に入ってから1時間半が経っていた。
その間、私以外のお客さんは入って来ず、いわば貸し切りだった。
微妙にもったいない施設だと思った。
しかし、ピーターラビット展の前に来ておいて良かったと思った。おそらく、ピーターラビット展を100倍楽しむ方法的に活用できると違いないと思えるところだった。

なお、その後に公園の売店とか寄って、うさぎのマペットとかすげー欲しくなるものがたくさんあったのだが、散財するわけにもいかないので我慢した。



ピーターラビット展横断幕

そして、昨日、満を持してのピーターラビット展に行って来た。
いやはや。入場料が資料館より高いだけあって、というわけでもないだろうが、資料館で得た知識をさらに膨らませるかのごとくの内容だったし、原画の展示も豊富で、お客さんもいっぱい。もう「資料館、もっと頑張らないと」と思ったのだが、このピーターラビット展でひっかかったのが、その、協力とかに資料館の名前が出てきてなかったこと。普通、作品の所在がどことか書いてあるもんだけど、展示に出所がどこなのか?というのがまったく書かれていなかったのもちょっと変だと思ったけど、資料館にも、こども動物自然公園の入口にもピーターラビット展のポスターが貼ってあったのに、こちらのピーターラビット展の方では、資料館について何も触れられてなかった。同じ日本の中にあるのに何でだろうなあ、と思えた。ガイドブックにも資料館のことについてとか、大東文化大学の研究者のこととか何も触れられていなかった。
貸し出し渋っちゃったとか、あるいは何か権利関係のものがあるのだろうか。
っていうのも気になったし、なんかもう一回資料館の方で復習するのも悪くないな、って思えたので、またいずれ時間を見つけて小旅行をしよう。次は春が良いかな。



と言ったところで、ピーターラビット展、Bunkamuraザ・ミュージアムでは10月11日までですが、全国を巡回するみたいです。ご興味のある方は、ぜひ行ってみることをお勧めします。そして行ったら公式図録は絶対買うべしです。これ、2,000円でこの出来映えはお得です。
(なお、展示会では音声ガイド借りましたけど、ぶっちゃけちゃうと音声ガイドはそんなにオススメはしません。)
(ちなみに、写真は図録と初版本を模したメモ帳です。)


http://www.peterrabbit2016-17.com/ ピーターラビット展公式図録と「ピーターラビットのお話」私家版を模したメモ帳 そしてポター資料館に気軽に行ける人は一度は行ってみるのもいいと思います。



なんて言いながら、資料館と展示会とでピーターラビットについてお勉強したわけですが、実を言うとピーターラビットのお話そのものには当初と変わらずまだ興味を持ててなかったりしています。おそらく文化の違いでしょうかね。ピーターラビットを始めポターのお話にはマザー・グースを元にしたものが多いらしいんですが、日本的な勧善懲悪とは違うからでしょうか。動物がいたずらしたり、最初からあまり良いやつじゃないのも気になったり、オチも判然としなくて、何か「だからどうした?」的な感想しか持てないものが多くて、理解が追いついていかない。
よく英米文学とかだと聖書をモチーフにしてるものも多いけど、それも実はあまり感心しない事が多い。表面的にはわかっても「本当のところ、何が言いたいの? てか、言いたいことあるの?」というのがわからない。思考が哲学的に陥ってるところもあるけど、外国文化、文化が違う人の理解って難しいなあと思う今日この頃です。

我が家のピーターラビットが何考えてるかもわからないけどさ。
スフィンクス座りのらん太

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ピーターラビットとわたし

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.zyoya.com/zlog/mt-tb.cgi/140

コメントする

このブログ記事について

このページは、zyoyatakuが2016年9月29日 02:18に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「今年も残り3分の1」です。

次のブログ記事は「うさフェスタ2016秋の陣!」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.0